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当院の理念と骨粗鬆症へのとりくみ

当院の理念『科学的な解析なしでは、確実な治療効果は得られない』(=『漠然とした治療を良しとせず、正確な検査と確実な診察をして、 効果がしっかりとでる工夫を常に考える』)と、外来の流れについて、説明させていただきます。

●診療内容

当院は一般内科として、地域のかかりつけ医として、幅広い症状・疾患に対応しております。また、他医療機関との連携を堅密にしておりますので、専門の違いを気にせずにお悩みをお話しください。 専門外(例えば皮膚科、耳鼻科、眼科等の領域)であっても、誠意をもってアドバイスを致します。

さらに、高血圧・糖尿病・高尿酸血症・脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)などに代表される代謝・内分泌内科については高度かつ専門的な診療を行っており、 わけても骨粗鬆症については、個人開業のクリニックの規模をはるかに超える積極的な研究と発表を続けています。 これまで数多くの新薬の治験にも参加し、今日の世界における最新かつ最善の診断・検査・治療を行っていると自負しております。

口コミの評判を聞きつけて東京、千葉、横浜、大阪、神戸から飛行機をつかってでも来られる方も多く、九州の中でも長崎、熊本、宮崎などから何時間もかけて大分まで来られます。 一度来院して精査をうけていただければ、当院の情熱・探求の深さを十分に実感いただけると思っております。

●身体と病気についての深い理解を

患者様の中には、漠然とした不安をかかえているものの「なにが本当なのか」「私はちゃんと予防・治療ができているのか」わからないといった悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。

インターネットの普及等により情報は氾濫しておりますが、無意味な健康情報や偽情報も多く出回るようになった為に不安ばかりが膨らんで、安心できる・まかせられる医療機関に出会えないといった方々が増えています。

当院では、一方的な情報と医療の提供ではなく
「患者様に、自分の身体でおきていること、症状や病気の仕組みをご理解いただき、安心して最善の治療を受けていただく」ことを非常に大切に考えております。

当院を訪れた方は、スタッフ全員がよく話し、よく聞き、時間をかけて理解を深めていただこうとする姿勢に驚かれるでしょう。

医師のみならず看護師など全ての医療スタッフが専門知識を深く学び、来院される患者さんに何度でも懇切丁寧な説明をこころがけ、資料をお渡しし、最善の治療と予防ができるようにサポートを続けています。

●検査について

ここからは、当院が得意とする骨粗鬆症を例として、当院のとりくみと姿勢を説明させていただきます。

まず骨粗鬆症について多くの方の誤解を解くためにお伝えすることは、
骨粗鬆症は
「代謝・内分泌の病気であり、内科の病気である」(※1)ことと
「多くの場合、骨粗鬆症自体は無症状である」ことです。

(※1 閉経後骨粗鬆症、ステロイド骨粗鬆症をはじめ、ほぼすべての骨粗鬆症が代謝・内分泌によるものですが、 現在「骨強度が低下し骨折のリスクが増すものをすべて骨粗鬆症と定義する」ようになったために、「骨粗鬆症」があいまいな症候群として扱われるようになり、当てはまらないものも存在し得ます)

骨粗鬆症自体は、細胞(組織)のレベルでおこる変化で、その進行とともに骨や関節の変形が起こり、合併症としての痛み・しびれ・骨折を引き起こします。

骨密度(骨量)の低下は閉経後の女性にほぼ100%おこり 1)(※2)、高齢では男性でも進行します。 非常に身近で、しかも無症状で徐々に進行し、痛みや骨折を起こした時にはすでに「合併症の段階」まで進んでしまっていることが多いのです。2)

(※2 後述する「見かけ上の骨密度高値」のため、「骨密度(骨量)測定における骨密度の低下」は100%ではありません)

このとき、原因や病気の仕組みを理解せずに、安易な痛みのコントロールや、「カルシウムを摂取して運動すればいい」と考えると、逆に骨折の危険を高めることになります。

世界で初めての閉経後骨粗鬆症の診断は、1941年の米ハーバード大のオールブライト博士の論文で、内分泌学の世界ではノーベル賞に値するほどの発見でした。3)

なぜ「閉経後骨粗鬆症」の診断がそれほどの大発見なのかと言いますと「女性ホルモンが欠乏すれば年齢に関係なく起こる病気」と世界で初めて示されたからです。(※3)

(※3 後述しますが、その後、有効な治療法を発見するまでに数十年を要したため、「加齢性の変化だ」「老化現象」と言った意見が日本の医学界でもつい最近まで主流とされ、診断と治療の努力が放棄されていました)

病気についてご理解いただいたら、次に
「いま何が身体で起こっているのか」正確に検査し把握することが「しっかりと科学的根拠のある診断をする」「効果のある治療を行い、その効果を定量し確かめる」ために必須となります。

●DXA(Dual-energy X-ray Absorption)による骨密度(骨量)測定

骨粗鬆症の検査の中でも最も重要な骨密度の評価は、かかとや手の骨密度測定だけでは不十分です。 検診によるスクリーニング(病気をみつけるための検査・健康診断)ならともかく、診断や治療の評価をしていくにあたってはDXA装置による腰椎・大腿骨の骨密度測定が不可欠です。4)(※4)

(※4 「骨密度」と「骨量」は、ほぼ同じ意味ですが、骨粗鬆症の診断では本来「骨密度」という言い方をします。ただ、院内で使う印刷物や言葉の上では測定値である「骨量」という言い方もよく行います)

当院には腰椎および大腿骨の骨密度を測定する最新のDXA(X線骨密度測定装置:Horizon,Holojic)が3台ありフル稼働しています。

背骨(脊椎)は前後左右に傾いたり、水平方向へ回旋したり、変形による歪みを生じるために、正確な測定には訓練による習得が必要です。 患者様の姿勢を補正し、適切な方向からX線が当たるように調節したうえで、測定面積も機械まかせのオートでなく、手動で適切な範囲をマッピング(マニュアルマッピング)しなければ、診断や治療成績の評価に役立つデータは得られません。

患者様の身体が正面を向いていても、椎体(背骨)は回旋(ねじれ)が生じることは多いのです。

下のレントゲン写真は、回旋した椎体のものです。ねじれていると、正しい診断ができません。

マッピングとは、骨密度を計測する範囲・面積を、椎体ひとつひとつについて0.2ミリ単位で決める作業を指します。 DXA装置のオートマッピングでは、骨の形を正確にマッピングできないことも多く、ひとりひとりを毎回、手作業でマッピング(マニュアルマッピング)することが正確な評価につながります。

●透視下デジタルX線撮影テレビシステム

当院では骨や関節の変形を評価し骨折を判定するために、リアルタイム透視下でカメラ角度や寝台位置を移動させ、椎体の傾きを補正しながら撮影するFPD搭載X線テレビシステムを使用しています。 また、放射線被ばくを極力低減させる工夫をしています。(※5)

(※5 検査による放射線被ばくについて、当院では極力最小限に抑えつつ、患者様が抱かれる被ばく量の心配について、誠実に説明をさせていただいています。 ホームページの都合上、ごく簡単に述べますと、X線検査の被ばく量は非常に少なく、自然界で普通に生活していて浴びる放射線量の数十分の1なのでまず問題になりません。 CT検査の1回被ばく量はX線100枚分に相当し、何度も繰り返しすぎると問題になり得ますが、手術前後などで大きな病院に入院し繰り返し検査するような状況でなければ、まず問題になりません。 ただし、IVRという、X線による透視をしながらカテーテルをいれるような検査(心臓冠動脈カテーテル、脳血管カテーテル、肝臓がんへのカテーテル治療など)では、治療のために数十分にわたって放射線をあてることになるので、被ばく量を考えなければなりません。5) そのような検査を受けられている方は、来院時にお申し出ください。)

DXAの項でもふれましたが、正確な骨の評価には、前後左右への傾き、回旋(ねじれ)を補正しなければ、検査の目的である骨の歪みや変形を評価できません。 透視化X線撮影では特に「斜放射」に気をつけて、熟練の医師が撮影をしています。

下のX線写真のように、傾きが強いと骨折や骨の変形を正しく評価できず見誤ってしまいます。

●三次元CT撮像による立体解析

骨粗鬆症では
椎体(体重を支える背骨・脊椎の円筒形の部分)はスカスカで骨密度が減少しているのに、 椎間関節(棘突起など、椎体の後方で腱や筋肉とつながり関節となる部分)には異常なカルシウムが付着し、「DXAで測定する骨密度は高いのに、骨は脆くて骨折をおこしてしまう、見かけ上の骨密度高値」という方が、かなりの確率で存在します。6)

当院ではこれをしっかりと見抜くために三次元CTによる骨の立体解析を行っています。

骨粗鬆症の患者様では、椎体に比べて後方の椎間関節の白さが大きく強くみえるのがわかりますでしょうか?

DXA骨密度測定では、前から後ろへ貫通するX線で測るために、椎体と椎間関節の合計が計測されます。

このため、DXAの骨量測定では骨量90~100%と高い測定結果がでるのに実は骨粗鬆症で、椎体はスカスカに抜けているのに椎間関節に大量のカルシウム付着があるため、 DXAで測定すると骨密度は高いのに、骨は脆くて骨折をおこしてしまう「見かけ上の骨密度高値」が起きてしまうのです。

さらに「余計なカルシウムのために骨が増える病気」とされる変形性脊椎症にも骨粗鬆症が同時に存在することが知られています。

変形性脊椎症では背骨が不安定になることで椎体がお互いにぶつかり合い、余計な硬化・石灰化(カルシウム沈着)が起こって、神経の通り道が圧迫されるのですが、 骨粗鬆症の患者様では、脆くなった椎体に椎間板軟骨が変形してはまり込むことにより、椎体同士の幅が狭くなり、背骨の不安定が起きている。つまり「骨粗鬆症から変形性脊椎症が起こる」ことがわかりました。

このほか、骨粗鬆症の患者様の皮質骨の穿孔や海綿骨の骨梁走行の把握や、同時に存在する骨変形、骨折、シュモール陥凹などは、三次元CTによる立体解析をしなければ観察不能です。

まだ骨折がないと思えるときに、背骨の上下に穴があき、軟骨が侵入し小さな凹みの微小骨折を作ります。 多くのぎっくり腰の患者さんで、腰に微小骨折をみつけることが出来ます。

●骨代謝マーカー

骨代謝マーカーとは骨の活動性(主にみるのは、骨形成=骨がつくられている状態、骨吸収=骨がこわされている状態)をみるための血液や尿から計測できる指標のことです。

当院でも扱っている主なものをあげますと、BAP、P1NP、OC、P1CP、NTX、CTX、TRAPc5b、DPD、ICTP、ucOC、HCYなどがあげられ、 骨粗鬆症の進行具合や骨折リスク、使用薬剤の選択や、治療効果の判定の参考になるとされています。

しかしこれらの骨代謝マーカーについては、当院では「測りすぎないこと」を大切に考えています。医療者や研究者の立場からすれば重要なのですが、患者様に不必要な費用の負担を強いることを、当院は良しとしません。

骨代謝マーカーの計測は、決して安くはありません。とくに治療開始後は、骨形成、骨吸収のそれぞれについてひとつの計測で十分です。地域のかかりつけ医でもある当院では、必要十分な検査で患者さんに負担をかけずに、最適な治療を受けていただくことを大切に考えています。

●治療について

当院の創設者 岡本純明は1978年、長崎大学病院第一内科在籍時に米国ウィスコンシン大学へ留学し、骨粗鬆症の治療薬となる活性化ビタミンDの発見者、デルカ教授 7)の下で世界初のラットの骨粗鬆症モデルをつくりました。

当時は骨粗鬆症の治療方法は乏しく、骨密度の低下を遅れさせる程度でした。またDXAのような骨量測定の機械も存在せず、治療効果の判定もできませんでした。
  「測定もできない。治療もできない。これでは話にならない」
日本の内分泌学会で骨粗鬆症を演題にしたところ、会場の200人ほどの医師がほとんど退席し、わずか7名の熱心に骨代謝を学ぶ医師のみが、新しい若者の参加を歓迎をするという様子でした。

時代は変わり2000年以降、画期的な骨粗鬆症治療薬が次々と実用化、保険適用となり「骨粗鬆症治療の開花期」と言われています。 しかし一方、現時点で恩恵をしっかりと受けている人はあまりにも少なく、骨粗鬆症と診断されても薬の服用をはじめる人は10人に1人、薬を1年間飲み続ける人はさらにその半分以下といわれています。

骨粗鬆症の患者数は2010年時点で推定1350万人。毎年約102万人が新しく発症しているにもかかわらず、約8割の方々が未治療で放置しているのが現状なのです。

おかもと内科は1994年開業ですが、最初の頃は骨粗鬆症の代表的治療薬であるビスホスホネート薬(bisphosphonate; BP ビスフォスフォネートと表記されることもある)も、新薬として治験でしか使用できず、おかもと内科の骨粗鬆症治療は治験薬ではじまりました。

以来22年間、つねに当院の理念である『科学的な解析なしでは、確実な治療効果は得られない』(=『漠然とした治療を良しとせず、正確な検査と確実な診察をして、効果がしっかりとでる工夫を常に考える』)を実践し、 「薬が効かない患者様」「検査しても治療効果がはっきりと出ない患者様」の原因をつきとめ、工夫を重ねてきました。

代表的な骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート薬の中でも、最も信頼性の高いエビデンスが多く、当院でも使われているお薬「アレンドロネート 8)」が日本で販売開始されたのは2001年のことです。(※6)ところが、この経口ビスホスホネート薬は、世界中で公式とされている「朝起きてすぐ薬を飲み30分待って朝食」という飲み方では不十分だったのです。

(※6 一世代前のビスホスホネート薬「エチドロネート」は1996年に販売開始されています)

経口ビスホスホネート薬(以下、経口ビスホス薬と略記します)は消化管からの吸収率が低く、また胃腸で食物、特にカルシウムと容易に結びつき、そのまま排泄されてしまうという性質が確認されています。9)

世界基準である「服薬して30分で朝食を開始」すると右のグラフのように、食事をしない場合と比較して約3分の1(37%)しか薬が吸収されません。 胃というのは非常に賢い臓器で、固形物が入ると、それを消化してしまうまで手放さず次の十二指腸に送らない反面、液体(お茶、みそ汁、牛乳など)は「消化の必要はない」と判断して、すぐに十二指腸に送り出します。

30分ではビスホスホネート薬はやっと消化された状態であり、さあこれから吸収して体(血液中)に移動しようとするときに後から食物が追いつくと、 体に吸収されずに排泄されてしまうのです。当院の研究では3分の1しか効果が発揮されていませんでした。

経口ビスホス薬の副作用としてよく言われる胃腸症状も、飲み方の工夫でほぼ防げます。

食道は、朝起きてすぐの状態では夜の間に飲み込んだ唾液などでベタベタして、ほとんどぺちゃんこに塞がっています。つねに大きく開いているわけではないのです。 ここでおちょこ一杯くらいの少量の水を飲み、ゆっくりと食道を開いてから服薬を開始するのです。 この薬に限らず、空腹時に薬や食べ物を水を十分にとらずに摂取すると、左の図のように食道にくっついてしまい、そこで溶けてしまうこともあるのです。

実は欧米の論文では経口ビスホス薬による胃腸障害はほとんど否定されています。 大規模な臨床研究で、日本で処方される2倍の量を飲んでも胃腸症状に差はなく、副作用が起きていないことが証明されました。

当院では経口ビスホス薬について飲み方を詳しく説明し、高齢の方であっても副作用を起こさず効果を最大限にするように工夫を重ねています。

ところで、2013年にアレンドロネート(ビスホスホネート薬)の経口ゼリー製剤が登場し、飲みやすく、吸収率も良くなりました。

ところが、最初から経口ゼリー製剤で治療を開始する患者様では、APR(Acute Phase Reaction)と呼ばれるインフルエンザ様の症状がでることがあります。はじめての薬に身体がびっくりするのです。 飲み始めた最初の時期に限られるのですが、筋肉痛、関節痛、発熱などを訴えられ「こんな恐ろしい薬は飲みたくない」と薬をやめてしまう方がおられます。 当院では、経口ゼリー製剤に限らず錠剤であっても、最初に「薬に体を馴らす」期間をとり、少量の投与を2回おこなうように気を付けています。

2012年からビスホスホネート薬は月に1回の点滴でも投与できるようになり、 「毎月点滴というのは、あまり喜ばれないのではないか」という当院側の不安をよそに、 960人もの患者様が点滴治療を希望されています。
当院で使用している月1回のビスホスホネート点滴で説明しますと、飲み薬の場合、腸からの吸収率は1%未満と非常に低く(※7)、前述のような飲み方の工夫をしないと、大きな効果のばらつきが起こります。
一方、ビスホスホネート点滴の投与は0.9mgと非常に少量なのですが、全部が体に入るので、飲み薬1ヵ月分の140mgと、ほぼ同じ効果になるのです。10)

(※7 経口ビスホス薬とは本来、正しい飲み方をしても、飲んだ薬剤の1%未満から多くても2%弱しか体内に吸収されないお薬なのです。だから飲み方に細心の注意が必要なのです)

上の図は、お薬を体にいれて30分後の血液中のビスホスホネート薬の濃度です。 24人ずつを2班に分け、一方は経口ビスホス薬を飲み、もう一方はビスホスホネート薬の点滴投与をしています。経口での服薬ではひとりひとりの血中へ移行には個人差が大きく、最大で約50倍も血中濃度に差がでています。11) 一方点滴では経口投与に比べばらつきが少なく、安定した血中への移行が確認されています。

ビスホスホネート薬以外にも優れた骨粗鬆症治療薬が、特に2010年以降は次々と保険適用となり販売開始されています。

2010年に登場したPTH注射薬 12)(副甲状腺ホルモン製剤)は、実は30年前から骨粗鬆症にたずさわる医師たちの間で待ち望まれていた、非常に優れた「骨形成を促進する」お薬です。 本来、PTH(副甲状腺ホルモン)は、人体の中では「骨を吸収する(骨密度を減らす)」働きが目立つのですが、間隔をあけつつ短い時間の投与を繰り返す(間欠的投与)と、逆に骨形成を促進し、骨の強度を高めるのです。

さらに2013年には、デノスマブ(抗RANKLモノクローナル抗体)という、6か月に一度の皮下注射でビスホスホネートに匹敵する骨吸収抑制作用を発揮するお薬が販売開始されました。とくに遠方から当院に通われる高齢の方々には「半年に一度でよい」というのは大変喜ばれています。

また、少しさかのぼりますが2004年からSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)製剤が販売開始されました。これは骨組織に対してはエストロゲン様の作用を示しつつも、 女性ホルモンをそのまま投与すると起こりうる乳がんのリスクに対してはかえって発生率を抑えることができます。最初は発がん抑制作用を期待され乳がん治療薬として開発されたお薬です。

当院では2016年1月時点で、
ビスホスホネート経口 6000人超
ビスホスホネート点滴 975人
PTH注射 567人
デノスマブ注射 586人
患者様に治療させていただいています。

外科手術の分野では「手術数(手術成績)」が重視されます。例えば肝臓、たとえば心臓において、たくさんの手術を手掛けている施設(あるいは医師)ほど、経験が豊富で、不測の事態への対処や判断も早く、名医であると言われます。 同じように当院では、骨粗鬆症治療薬が新薬で治験としてしか使えなかった頃より、理念である『科学的な解析なしでは、確実な治療効果は得られない』を常に実践し、経験と判断を磨き上げてきました。 その経験数、患者様にたずさわってきた数の多さは、当院を御信頼いただくひとつの材料になると考えております。

また、当院では病気への理解を深める努力と、きちんと効果を測定できる検査により、患者様が治療効果を実感できるようになっています。(「それは当然だろう」と思われるでしょうが、骨粗鬆症の外来では、おろそかにされやすいことなのです) 当院に来られる方の多くがしっかりと服薬をつづけ、骨折のリスクを避けることに成功されています。

検査の項でも触れましたが、骨密度の測定というのは本来、結果が大変にバラつくもので、現在でも学会でさえ「バラつきが大きくて当てにならない」という意見がでるほどです。 当院でも正確な骨量測定方法を確立するまでの道は険しく、血道をあげて努力を続けてきました。 測るたびに測定結果がバラついていたのでは、数値を信頼できず、治療の効果もわかりません。

逆に骨量(≒骨密度)を正確に測ることが出来れば薬の効果がはっきりと出て、それを励みにして治療を続けられます。患者様がお薬を途中でやめる理由として「お薬の効果が判らず張り合いがない」というのは非常に大きい要素なのです。

開院以来22年間ずっと正確な骨密度測定を目指してきた結果、姿勢の補正と、測定面積を手作業で決めるという現在のやり方にたどりつきました。 当院の理念『科学的な解析なしでは、確実な治療効果は得られない』(=『漠然とした治療を良しとせず、正確な検査と確実な診察をして、効果がしっかりとでる工夫を常に考える』)を実践してきたのです。 この測定法なら、そしてこの測定から得た薬の飲み方のアドバイスを守りさえすれば腰や大腿骨の骨密度は必ずと言っていいほど増えます。十数項目の測定の全項目で骨密度が増えない方は200人に1人もいません。

●医師について

ここまで、骨粗鬆症を中心に説明してきましたが、当科では全ての症状・疾患に対して「科学的な裏付けのある、確実な効果のでる治療」を心がけています。

国際化と情報時代の技術革新により、世界中の新発見や新技術が光の速度で伝わり、活かされる時代になりました。それは医学の世界でも同様で、 かつては大学や医師によって「**大学の診断法」「**先生の治療」と、診断法や治療方法が乱立していたのですが、いまでは世界標準(ワールド・スタンダード)として、現在最も患者様を救いうる医療が追及され選択されるようになりました。 今日の世界において診断や治療の根拠となるのは、世界中から集まってくる報告や統計データ、研究データです。

ただし、この報告やデータを「読みとり」「本質を見抜く」ことが実に難しく、
実際には専門家であっても本質を見抜き、有用なデータを選び抜いて活かすのは難しいのです。

現在は「たくさん知っていること」よりも「膨大な知識に優先順位をつけ、本当に役立つ情報を選び抜く知恵」のほうが大切な時代です。これは医学に限らないことでしょう。

当院では、最新の知見をもとにしつつも、つねに実際の患者様の生の声を聴きながら、最善の診断、最善の治療とはなにか、模索し続けています。 当院自身も研究報告を英語・日本語で提出し、医学の進歩・患者様が救われる医療の進歩の一助であろうとし続けています。

当院を訪れる方は、医師だけでなくスタッフ全員が、よく話し、よく聞き、患者さんから学んでいく姿勢、そして患者さんにも学んでいただこうと懇切丁寧な説明を繰り返す姿勢に驚かれると思います。

当院では科学的な解析に重きを置くために、聞きとりや検査に時間がかかり、お待たせすることがあります。なるだけお待たせせずに、必要十分な検査を受けていただくために、とくに初診時は予約をおすすめしています。
また、根拠の乏しい健康食品や健康法については「ノーコメント」の姿勢をとらせていただいております。ご了承お願いいたします。

スタッフ一同、一丸となって、より科学的で、より皆様の健康と生活を守る医療に全力で取り組んでいきます。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

1)岡本純明:骨粗鬆症学-基礎・臨床研究の新しいパラダイム-.日本臨床62:637-654、2004
2) Fuller Albright, Postmenopausal Osteoporosis, and Fish Vertebrae