予約・お問い合わせ
097-558-5600
     (受付時間 8:30 - 17:30)
ホーム
Home
内科について
Consultation
骨粗鬆症
Osteoporosis
スタッフ紹介
Doctors
アクセス
Access Map

Q&A 質問をいただくことの多い内容をまとめました

Q.骨粗鬆症は、かかりやすい病気なのですか?

骨粗鬆症は、非常に身近な病気です。

日本国内の骨粗鬆症の患者数は2010 年の時点で約1350 万人(男性約316 万人、女性約1034 万人)と推定され、しかも毎年約102 万人が新しく骨粗鬆症にかかっていると推測されています。(※1)

(※1  2015年時点の人口〔平成27年度国勢調査〕は、まだ確定値が発表されていませんが、概算値で計算すると骨粗鬆症患者数約1410万人〔内訳:男性約330万人 女性約1080万人〕となります。)

ところが高リスク群である閉経後の女性においてさえ、骨粗鬆症に不安を感じながらも「詳しくは知らない」「検査をうけていない」という方が3割~5割もいると言われています。
多くの方が、適切な検査をし、よい治療と予防をしているとは言えない状態で過ごされています。

骨粗鬆症の診療にあたっていると、

「私の年齢では、骨粗鬆症になるなんて思っていなかった」
「カルシウムを摂るように気をつけていたのですが」
「ずっと健康で、骨折なんてしたことない」
「よく運動しているし、転んでも大丈夫だった」
「以前、骨密度を測ったときは、骨は大丈夫と言われた」
「お薬を飲まなきゃいけないなんて、ショックです」

という方が、たいへん多くいらっしゃいます。

多くの方が「骨粗鬆症」という言葉を知っている・聞いたことがあるとおっしゃるのですが、反面、 どんな病気か詳しく知らない・検査をしていないという方の多さに、いつも驚かされます。

骨粗鬆症で
「骨がもろくなる」「骨がスカスカになる」「骨折しやすくなる」
ということは比較的知られていますが、

「糖尿病などの生活習慣病と関連がある」
「放っておくと悪化し寿命が短くなる」
「骨折しても痛みや自覚症状がないことがある」
「治療で骨折のリスクを減らすことができる」
といった大事なことをちゃんと理解している人は意外に少なく、
誤解や偏った情報も多くみられます。

骨粗鬆症だとわかった際に「内科を受診する」と答える方の割合も非常に低く(10%~15%)、多くの人が「整形外科を受診する」「大きな病院の整形外科で診てもらう」「どの診療科にいけばわからない」と答えるそうです。

しかし、骨粗鬆症は本来、代謝・内分泌の病気です。
骨折してからの手術は整形外科の得意分野ですが、
正確な分析と、薬の効果を確かめつつ最適な治療をみつけていくのは内科医の得意分野です。

Q.生活を見直せば自分で治せるのでは?

「食事を気をつけている」「適度な運動をしている」から「自分で発症を防ぐことができる」という考えは誤りです。

再び統計の話になりますが、
平成25年国民生活基礎調査では、日本人の寝たきり要因として、『脳血管疾患』、『認知症』、『高齢による衰弱・老衰』に続き、『骨折・転倒』が第4位に挙げられています。

深刻な骨折の代表としてあげられる大腿骨骨折のみを例に挙げても、
骨粗鬆症による大腿骨骨折は2012 年の時点で年間約19 万人に起こり(※2)1 年以内に10 パーセント、約19000 人が死亡します。 5 年以内でさらに50%以上、約95000 人の方が亡くなるとされています。大腿骨骨折による死亡は毎年10 万人以上と大変な数になります。

(※2  2020年には大腿骨頸部骨折の新規骨折者数は25万人を超えると試算されています。)

にもかかわらず高リスク群である閉経後の女性でも、骨粗鬆症の検査を定期的に受けているのは10%強にすぎず、検査を一度も受けたことがない人が3人に1人もいるといわれています。

『2センチ以上の身長の低下があった場合には、50%以上の可能性で背骨の骨折がある』という報告がされているのに、意識調査によると、身長が2センチ以上縮んだと回答した人のうち、 70%以上の人が『骨粗鬆症と診断されておらず、治療もしていない』と回答しており、骨折者の多くが未治療のまま放置されている可能性が示唆されています。

自分は骨粗鬆症ではない、可能性が低いと考えている人には「食事に配慮しているから」「適度な運動をしているから」と答える方が多いのですが、
骨粗鬆症の進行は、運動と食事のみで予防できないことのほうが非常に多いのです。

もし運動と日光、カルシウムの積極的な摂取だけで骨粗鬆症を予防できるのなら、真っ黒に日焼けして朝から晩まで働かれる漁村・農村の方々では骨が丈夫になる理屈のはずですが、 実際には日本でもアメリカでも、日照時間の長い南側で農業に従事する方々のほうが骨折が多いとはっきりしています。 日本では南九州や沖縄、米国ではフロリダやカリフォルニアなど日没が遅いところほど骨折が多いのです。

検査を初めて受ける方がよく「気になる症状がないし、検査を受けるきっかけがなかったから、これまで受けてこなかった」とおっしゃるのですが、骨粗鬆症は高血圧や糖尿病と同じように自覚症状が少ない状態で進行し、 気がついたときにはとりかえしのつかない骨折に至るのです。

一方、骨粗鬆症と診断されているにも関わらず治療をしていない人もいて、そういう方は「痛みなどの症状がないから」、「食事や運動で治せると思うから」、「薬を飲みたくないから」自己判断で自分で対処しようとするようです。

こうした自己判断で手遅れになり、世界一の長寿国と言われる我が国で晩年に健康を損ない、痛みと不自由に悩まされて過ごすことを選びたいと思う人は、ほとんどいない筈です。

正しい知識をひろめ、専門家に相談し適切な予防と治療がなされる環境が整うように、当院は尽力して参ります。

Q.超音波やX線の検査だけではわからないのですか?

初期の骨粗鬆症(骨密度低下)はレントゲン撮影では判別できません。

X線での骨粗鬆症(骨の変形や骨折)がわかったときには、骨密度はすでに30%も減っているということが骨密度を測れるようになって判ったのです。2)

たとえば高血圧や糖尿病で考えてみましょう。実際に血管がボロボロになり、動脈硬化がCTやエコーで確認されてから高血圧の治療を開始するのでは遅すぎます。

もしも血圧を測らずに高血圧の治療をしたり、血糖値の測定を行わずに糖尿病の治療をするとしたら、これは誰もが非常識だと思われるはずです。
同じように、症状やX線撮影のみで骨粗鬆症の診断をするのは非常識ですし、きちんとした骨密度測定をせずに骨粗鬆症の治療を開始するのは非常識なのです。まず、現在の正確な骨密度をきちんと測るのが第一です。

骨量測定には、いくつかの方法や機械があります。
手やかかとの測定は検診でのスクリーニング(疑われるかどうか大まかにふるいわけ)目的で、おおよその目安を見るにはよいのですが、超音波(QUS法)では診断できるような精度はでませんし、X線(MD法)でもバラツキが大きく、 治療に使えるような指標としては役に立ちません。3) 手やかかとの検査で低いと言われた時は、現在における標準の「腰の骨量」を測りなおす必要があります。
骨粗鬆症の治療をはじめるときに一番正確にみなければならないのは腰の骨量の数値です。
年3%ずつ減る女性の骨を診るのには誤差が1%以下の腰の骨量を測らなければいけません。

当院ではさらに、透視下X線撮影による椎体の変形や回旋の評価、骨代謝マーカーの測定、立体CT撮像を加えて、的確な骨粗鬆症の診断と治療を行っています。

Q.骨粗鬆症の薬は効かない?

骨粗鬆症で薬を飲んでも効果が出ない。「また骨折した」という方が相当にあると言われます。これは本当のことです。

腰の骨量の測定で薬の効き目はすぐに判りますが、骨粗鬆症では他の病気に比べて薬が効きにくい方の割合が多いというデータがでています。

そしてその一番多い理由は、実は「薬の飲み忘れと飲み止め」なのです。

まず高血圧や糖尿病と比べると、骨粗鬆症に対して「医師がきちんと薬を説明して処方する率」がとても低い。治療が必要な方のうち実際に薬を処方されている率は15%程度です。 大腿骨骨折を起こした方ですら、骨粗鬆症の薬を処方される割合は2割未満であると報告されています。(※3)

(※3 この調査は「治療をうけたことがあるかどうか」の回答なので、後述するように、1度薬をもらっただけの人、しばらくして薬の服用をやめてしまう人も全て含めて「2割未満」なのです。)

その上、統計によると、薬を処方された方の半数が6ケ月飲んだところで処方通りに飲むのを止めてしまうとされ、また別の報告では1年以内に8割もの方が自分で飲むのをやめていると言われています。 すなわち骨粗鬆症と診断された方のうち、1年間続けて正しくお薬を飲まれる方が100人に2~3人という信じがたい現状なのです。

飲み忘れていては効かないのは当たり前と言われるでしょうが「骨粗鬆症の薬を飲んでもよくならなかった」「飲んでいても骨折した」という風評の多くがここから起こっているのです。(※4)

(※4 さらに、お薬の飲み方が適切でない場合が考えられます。骨粗鬆症のお薬は、その飲み方も、効果の測定も、工夫しなければうまくいかないのです。)

骨粗鬆症で骨を強くするお薬を飲むと腰痛などの症状が相当に改善します。昔と比べると現在の薬の力は素晴らしく、1年間薬を飲むと約40%の骨折を防ぎます。 ところが逆に言えば60%の方は、まだまだ骨折するということです。完全に良くなった訳ではありません。薬を長く止めれば骨量はまた減少し、再び骨折という悲惨なことになります。

症状がとれた後も、何ともないのに薬を飲み続けるのはなかなかの意志力が必要です。
おかもと内科では腰と大腿骨の骨量を測って、薬の効果と、現在どのくらい良くなっているのかをはっきりと示しています。

患者様も、治療効果がわからないのでは張り合いがないので薬の飲み止めが多くなるのですが、当院では処方をされたお薬をきちんと飲まれて、骨量を確実に改善される方がとても多くて、大変うれしく思っています。
きちんと測定結果を伝え、励まし続けるのも我々の大事な仕事なのです。

Q.骨が増える病気では、飲まないほうがよい?

あなたは「骨の間隔がせまくなり、余計な骨(石灰・カルシウム)がついています」と言われたり、「変形性脊椎症(変形性関節症、osteoarthritis、OA)ですね」と言われたことはありますか?

変形性脊椎症とは、背骨どうしの間隔がせまくなる(椎間の狭小化)、骨・関節・靭帯に余計なカルシウム・石灰の塊がつく(骨棘形成、椎間関節の肥厚変形・黄色靭帯の肥厚)、 背骨の変形(辷りや側弯)を起こす病気で、神経を圧迫して(神経根や脊髄の圧迫)、痛みやしびれの原因になります。

変形性脊椎症では、骨がぶつかり合ったり不規則な力がかかるために余分なカルシウムが付着し、神経や脊髄が圧迫されて痛みやしびれなどの症状を引き起こします。

座骨神経痛に代表される手足の痛みやしびれは変形性脊椎症の症状なのですが、これは背骨が不安定になることで椎体がお互いにぶつかり合い、余計な石灰化(カルシウム沈着)が起こって、神経の通り道が圧迫されるというメカニズムです。

これまで「骨粗鬆症は骨の減る病気」で「軟骨変性で起こる変形性脊椎症は骨が増える病気」だから「全く正反対の病気で対極の疾患」という大変な誤解がされてきました。
実際には骨粗鬆症と変形性脊椎症は高い確率で合併し、同時に存在します。

椎体は骨粗鬆症でスカスカになっているのに、椎間関節に大量のカルシウム付着があるために、DXAでは骨密度の「見かけ上の高値」となり、骨粗鬆症(と、その後にくる椎体の変形・骨折)が見逃されてしまうのです。

「背骨の不安定」が起こる原因として、椎体の間にあるクッションのような椎間板軟骨が変性し小さくなってしまうことが主原因だと、長年の間、信じられて来ました。

しかし近年、立体CT解析の発達により、軟骨の幅が狭くなっているのではなく、脆くなった椎体の中央部が陥凹し、そこに軟骨が変形して入り込むことにより、椎体同士の幅が狭くなり背骨の不安定が起きている。
つまり「骨粗鬆症から変形性脊椎症が起こる」ことがわかりました。これまで主原因と言われてきた軟骨の変性も、骨粗鬆症によって軟骨を栄養する血管の通り道に、骨の変形による血行障害が起きていることが大きくかかわっています。

約14年前、骨粗鬆症の新薬の治験を受けられていた患者様が、これまで20m歩くと必ず立ち止まって休まなければ歩けなかったのに、3倍以上歩けるようになったと涙ながらに感謝されました。 本来、軟骨に効くはずがない骨粗鬆症薬の治療で座骨神経痛が改善し、変形性膝関節症が治る方も相次ぎ、まもなく欧米でもその点が注目されました。

骨粗鬆症治療薬は「骨が増える病気」である変形性脊椎症を改善させます。
椎体を強くして余計な変形を防ぎ、軟骨を養う血管の通り道を修復します。余計な骨のトゲ(骨棘)が消えて坐骨神経痛も改善し、膝の軟骨からの痛みも軽減します。「痛みがとれて長く歩けるようになった」「膝に水がたまらなくなった」と 喜ぶ方が多く出てきていらっしゃいます。

米国の学会で、この変形性脊椎症が良くなる機序を報告したところ、およそ1200題の演題の中で「最も注目すべき演題」16題の一つとして優秀演題賞を頂きました。4) 大変栄誉なことです。

Q.薬はいちど始めたら、飲み続けなければいけない?

「骨粗鬆症のお薬は1年以上も続けて飲まねばならないのですか!?」と驚かれることがあります。

骨粗鬆症のお薬について、「しばらく飲んでいれば結構効果があるかな」という程度の認識をお持ちの方が、一般の方だけでなく、お薬をだす医療従事者の側にも結構いらっしゃるようなのです。

そういう方に当院ではよく「血圧のお薬とか、糖尿病のお薬だったら1年以内で止めようなんて決して考えないでしょう?」とお尋ねしています。

「骨折は治る病気」「高血圧とか糖尿病とは何か切迫感が違う」ように思われている方が多いのですが、「骨粗鬆症による骨折」は寿命(生命予後)にかかわる問題です。

また骨粗鬆症薬に限った話ではないのですが、
「一旦、薬を始めて止められないのなら、始めから飲みたくない」という意見を外来で聞くことが時々あります。

薬を嫌がる患者さんの中で非常に根強く、多い意見のようですが、
医師として言えることは、
「骨粗鬆症や、高血圧・糖尿病・コレステロールを下げるお薬で、くせになって止められないということは決してありません」
「これらのお薬を飲み始めたために体が薬に依存するようになり、飲み止めた途端にもっとひどい状態になることは、決してありません」

この2つは、しっかりと伝えさせていただいています。

高血圧や糖尿病、そして骨粗鬆症の薬には、習慣性はありません。麻薬や睡眠薬などと違って嗜へき性(飲み始めたら止められないこと)は全くないので、止めようと思ったらいつでも飲み止めることは出来るのです。

お薬を飲み止めれば、単純に、飲み止めた分、効き目がなくなるだけなのです。
当院ではもちろん、不必要な薬を漫然と出し続けることは致しません。
しっかりと診察・検査を行ったうえで、必要十分なお薬で最良の効果が得られるように常に工夫をしています。

Q.すでに変形や骨折が起きたら、薬では治せない?

骨粗鬆症治療薬の仕組みは「細胞レベル・組織レベルでの骨吸収(骨が破壊され骨密度が低下すること)を抑え、骨形成(骨密度の増加)をうながす」というのが基本なので、

いちど起こった骨折や変形を、元の若い時の形に戻せるわけではありません。

ただし、実際の現場では
「骨の変形や骨折が元に戻ったわけではない、また軟骨の治療薬ではない」にもかかわらず、 痛みやしびれが改善した、膝の変形性関節症の症状が改善したという報告が後を絶ちません。

骨折を防ぐ作用が明らかなビスホスフォネート剤(以下BP剤)やPTH製剤を数ヶ月使うと、腰や背中の痛みが顕著に減少します。長く苦しんでいた痛みから解放された方は本当に喜ばれます。

カルシトニン製剤のような「痛みをとめる」治療薬は、痛みに気づきにくくするためにかえって骨折の発生率を高めてしまうので、当院では使用していません。
いわゆる「痛み止めの薬」は、麻酔と同じで脳に痛みを感じさせないようにするだけです。もちろん痛みを感じない間は楽にはなりますが、薬の効果が切れるとまた痛くなります。 痛みの原因の低い骨量が「痛み止め」で増えるということは全くないのです。

患者様の中には「痛み止めが効いて、すっかり良くなった」と言われる方がいますが「それは誤解です」とはっきりお伝えさせていただいています。
痛みが止まっている間に体が修復していれば、「痛み止めで良くなった」ように感じるのですが、修復していなければ、また痛みが出ることになります。

もちろん生活に支障がでるようなときは当院でも処方をしますが、「痛み止め」をずっと飲み続けることは、薬で胃を傷めるだけでなく、腎臓にも負担がかかります。米国では、高齢者への痛み止め投与は好ましくないと使用が明確に制限されています。

それに対して骨粗鬆症治療薬で痛みがとれるのは、痛みの原因そのものを治すからです。骨折したらすごく痛いのは想像に難くありませんが、骨粗鬆症で「今にも骨が折れそう」という状態でも、体の中ではいろんな骨の変化が起こっています。 草取りをしたり、前屈みで掃除をしたり、お孫さんを抱いたり、軽い負担でも、骨粗鬆症の方では、痛みが多く出てきます。

Q.よいお薬の登場で、骨粗鬆症の数は減っているのですか?

素晴らしい骨粗鬆症治療薬の登場で、きちんとお薬を飲んでいる方では、明らかに骨折が減るようになりました。

それはもう、2000年以降の、この15年を振り返るとまさに「隔世の感」といってよく、医師の側もずいぶんと明るい気持ちになりました。

15年前の薬では、飲んでいてもまた骨折することがよくありました。「腰や背中の痛みがちっとも良くならない」と苦情を言われて、暗い気持ちになることがとても多かったのです。 今は、骨粗鬆症のお薬を飲み始めると腰の痛みが明らかに取れますし、患者様の喜びの声をたくさんうけとれます。医師の側も張り合いがあって嬉しいのです。

以前は学会でも「骨粗鬆症の治療薬は効かない。薬で骨折は減らない」という主張もありました。薬剤の進歩を勉強していない方の意見です。骨粗鬆症の4400例を4年間追跡した米国の報告では、お薬をのむだけで骨折が、 なんと9分の1に激減しているのです。

お薬は効き、きちんと使っている方の骨折は激減します。
だからこそ、途中で薬を飲むのを止め、数年経って背骨をいくつも骨折して再度来られる方がいると、とても残念なのです。

ところが、新しい骨粗鬆症薬の登場で、個人的に骨折が減る方はたくさんいるのに、全体の骨折総数は全く減っていません。諸外国では10年前から減り始めましたが、半分には遠く及ばず、減少は数%です。 (それでも数十万人の命が薬で救われた計算で、日本よりは遥かにましです)

理由として、現場で医師が骨粗鬆症の治療薬をだす率がとても低いことがあげられています。
骨折後ですら、ちゃんとお薬を処方される方は1割に満たず、さらにそのお薬を1年間飲み続ける方はその半分に満たないと推測されています。
きちんとお薬を続ける人が数十分の1では、骨折の死亡者数は減りません。
また、世界98ケ国の中で日本だけ「日本人は薬に対する反応が大きいから、薬は2分の1の処方量」という制限があるのも残念です。

どれほど優れた薬であっても、それぞれの患者さん、性別、体重、体質などで効果は大きく異なるし、別の病気が隠れていて骨量減少を起こしている方もいます。生活習慣や薬の飲み方が最適でないこともあります。

ですから、きちんとした治療効果の測定をひとりひとりが行うことが大切なのです。 あと、当然ですが骨粗鬆症のお薬は、進行する前に使うほうがよいのです。
骨粗鬆症は生活習慣病のひとつと考えて差し支えないので、早く検査で発見して、早くから治療する「早期発見・早期治療」の原則があてはまります。
進行した骨折のある患者様でも薬はよく効きますが、骨折の後に薬を飲むのは「火事で屋根が焼け落ちてから水をかけるようなもの」で、医師の側からは少し残念なのです。
1997年4月に米国FDA(日本の厚生省にあたる)は、骨粗鬆症治療薬を「閉経後の全女性に投与してよい」と 認可を出しました。5)
「お薬でなければ女性の骨折を止めることは出来ない。全女性の幸福でもあるし骨折してからの手術代、介護を考えれば財政的にもよい」という判断なのです。
きちんと正しくお薬が処方されれば、個人でも国でも、医療費はかえって少なくなるのです。

当院では自己負担になってでも骨粗鬆症を早期に発見して予防したいという方のために「骨粗鬆症ドック(自由診療)」を用意しております(※5)。ドックを受けられた方の多くが早期に骨粗鬆症を発見し、健康な骨量を維持されています。
ぜひ骨密度の正確な測定をして早期に骨密度の減少を発見し、将来にわたって健康な骨密度を維持して欲しいのです。

(※5 骨粗鬆症ドックの料金は20000円です〔税抜き〕。DXA〔X線骨密度測定装置〕検査、胸腰椎の透視下X線撮影、尿検査、血液検査〔骨代謝マーカー測定含む〕、 医師による診察を含みます。立体CT撮像は追加オプションで13000円です〔税抜き〕。)